第23話・ラビット流、米の使い方

[前回までのあらすじ]
 海ちゃんとラビと二人でビリヤードをしに街へ。
 そこでも女性をウォッチングするラビの動作に微笑。
 さてビリヤードを終えた二人はいずこえ…

第23話「ラビット流、米の使い方」

 ビリヤードを終えた二人は、カウンターで会計をした。
 会計をし終わった時に、ラビはふと横にあった「ダーツ」に目がいった。
「よう海ちゃん、ここでダーツができるようだよ」
「ああ、それね。どうやったらできるんだろうね。お金を入れないといけないんじゃないの?」
「多分ね」
 するとラビは近くにあったダーツの矢を手に取った。
「おいおいラビちゃん、あまり余計な事をすると怒られるぞ…」
 と海ちゃんが言ったと同時に、ラビが何を血迷ったのか、矢を的に投げ始めた。
 当然当るはずもなく、カコーンという音と共に矢ははね返って床に落ちた。
「っておい!何やってんのよこのバカビット!」
「いや~できるかなぁと思ってねぇ」
 すぐさま海ちゃんは周りを確認したが、どうやら目撃はされていないようだったので、すぐさま二人は立ち去った。
「ったくこのアホが!ビビったじゃねーかよ!」
「まぁまぁ、でどうするこの後は?」
「ラビちゃんはお腹空いてないの?」
「俺は家でカレーを食べてきたからね」
「あ、そうなんだ」
「ああ、海ちゃんからもらった米で炊いたんだよ」
「へ・へぇ」
(まだあの米を食べていたんだ)と思う海ちゃんだった{ラビット物語外伝第15話・参照}
「そういえばラビちゃん、その米を渡す時にも言ったけど、買ってから大分経ってるから、よく洗ってるかい?」
「う~ん…よく洗っているんだけど、なかなか米の独特の臭いが全く取れなくてね。米ぬかの臭いみたいなのがどうしても残るんだよ」
 これを聞いた海ちゃんは、内心、大爆笑していて、顔に出さないようにするのに一生懸命になっていた。さすがに一年も経った米はそうなるんだぁ、とも思っていた。すまんなラビ、これもネタ作りのためだ。
「そ・そうなんだ」
「だからその臭いを消すために、カレーや丼物で臭いをごまかしているのさ」
「ほ・ほう。じゃ最近はそういう物ばかりなのかい?」
「ああ、まともに白いご飯を食べてないよ。茶漬けでもあの臭いはきついからね」
 すでに海ちゃんは笑いをこらえきれなくて、うつむきながら話を聞いていた。
「で、海ちゃん、どうすんのよ」
「そうだなぁ、僕は腹が減ったから、ラーメンでも食べに行くか」
「おう、いいよ。で、どこに行くんだい?」
「どうしようかね?困ったなぁ」
「ではラーメン横丁に行ってみるか?」
「ラーメン横丁ねぇ。あまり美味いと聞かないけど、ラビちゃんは行った事はあるのかい?」
「いや、実は俺もないんだよね」
「よし!じゃラーメン横丁に行ってみよ~」

[次回予告]
 ついにラーメンを食べに行く事になった二人。
 しかし二人の居る街というのは、実は「すすきの」であった。
 彼らに待ち受けるすすきのの真の正体(招待)とは!?

次回 第24話「ラビット、ビバすすきの」にご期待下さい!

※この物語は事実を元に構成された真実です
原作 海ちゃん
制作協力 みっつ




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